Column
お茶の色
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お茶の茶色はどこからきている?
色の表現をするときに、桃色、草色、あずき色、空色、灰色とか表現しますよね?茶色は、本来お茶の色なのにお茶は、緑で色が違うと思っている方いませんか?お茶の色とは、抽出した水の色のことを言いますが、お茶の種類によって水の色は変わってきます。
かぶせ茶…緑
浅むし煎茶…山吹色
ほうじ茶…茶色
深むし茶…濃い緑では、お茶の茶色はほうじ茶からきているのか?
答えは、違います。ほうじ茶の歴史は、意外と浅く昭和初期頃と言われています。(諸説あり。)奈良、平安時代に飲まれていたお茶は、抹茶です。当時大変貴重な飲み物で僧侶や貴族階級のごく限られた人しか口にできませんでした。鎌倉時代に臨済宗の開祖栄西が、お茶を宋から持ち帰り喫茶養生記を著したことから全国へその製法や飲み方が広まりました。当時作られていたお茶は、茶摘み→蒸す→焙る、という工程で作られ、そのお茶に熱湯を注いで飲んでいました。完成したお茶は、ビンに入れられ何年も保管されていたため変色した色で茶と表現されたのかもしれません。また、この他にも諸説があり、茶を染料として使った時に出る色に、由来するとも言われています。室町時代より、茶の葉の煎じ汁が染料として使われ始めています。茶染めの服は、江戸時代に一般に広がりました。