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抹茶について
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抹茶の旬
お茶の葉の栄養を丸ごと摂取でき、その健康効果から注目度が高まっています。普通の緑茶の旬が春4~5月なのに対して、抹茶の旬は秋10月~11月です。しかし、抹茶の原料となる碾茶の収穫も5月~6月に行われます。茶葉を摘んだ後に5ケ月間くらい低温熟成させて加工し、茎や葉脈を取り除き石臼で挽いてから出荷されます。そのため抹茶の旬は、秋の10月~11月とされ蔵出し茶、熟成茶とも呼ばれています。この抹茶の旬に合わせて、茶道では11月に口切の茶事という茶会が行われます。これは6月に摘んだ新茶が入った茶壷の封を切ってうすを挽き、その年の最初の抹茶で濃茶を点てる行事です。その年最初の抹茶を、口にする喜びを分かち合うことができるため茶人にとってのお正月と言われています。 -
抹茶と煎茶の違い
どちらも茶樹の葉から作られますが栽培方法や加工の仕方で変わります。茶摘みまで太陽の光を浴びて育てる煎茶とは違い、抹茶は摘み取る20日以上前に畑全体に太陽を遮る覆いをかけます。こうすることで緑が濃くうま味がより強い茶葉になります。その後、摘んだ茶葉を高温で蒸すのは同じですが、蒸した茶葉を揉んで乾燥させる煎茶に対して碾茶は、揉まずに乾燥させて完成します。この碾茶を石臼で挽いて粉末状にしたものが、抹茶です。抹茶は茶葉を丸ごと挽いているので、葉に含まれる栄養も効率よく取り入れることができます。